蜂窩織炎とは、皮膚の傷などから細菌が侵入し、皮膚とその下にある脂肪組織などに炎症を引き起こす病気です。
全身に発症する可能性がありますが、もっともよく見られるのは足からふくらはぎにかけての部位とされています。
発症すると皮膚と皮下の脂肪組織などに炎症が引き起こされ、痛み・熱感・発赤・腫れといった症状が現れます。
特に患部を押すと痛みが強くなり、脚に発症した場合は歩行が困難になるケースも少なくありません。
炎症が重症化すると高熱・悪寒・倦怠感・頭痛といった全身症状が見られるようになり、敗血症に移行することもあります。
さらに周囲のリンパ節にも感染が広がり、痛みを伴うリンパ節の腫れが目立つようになります。
なお原因となる細菌は多々あり、代表的なものではブドウ球菌が挙げられます。
また重度な糖尿病など、免疫力が低下している場合に発症リスクが高くなります。
治療には原因となる細菌を死滅させる作用を持つ抗菌薬の投与が行われ、数日~10日ほどで快復することがほとんどです。
多くは点滴での投与が行われ、数日で回復していくとされています。
また、発熱・痛みなどそれぞれの症状を和らげるための「対症療法」を行うことも少なくありません。
しかし重症化すると、皮膚の下に膿の塊が形成されることがあります。
このようなケースでは、皮膚の一部を切開して膿を排出させなければならなくなります。
蜂窩織炎を予防するには皮膚を清潔に保ち、傷ができないよう注意することが大切です。
特に糖尿病や免疫抑制剤を飲んでいる方は、足など蜂窩織炎が起こりやすい部位のケアをしっかり行いましょう。
また細菌の侵入を防ぐため、保湿により皮膚のバリア機能を維持し、皮膚疾患がある場合はできるだけ早く治療を受けましょう。