“尋常性”とは“普通の”という意味で、乾癬の90~95%を占めています。
乾癬は年々増加傾向にある、完全に治療が難しい皮膚病です。従来欧米人に多く我が国ではまれな病気でしたが、近年の食生活変化、特に動物性脂質を取ることが多くなるにつれて、この病気が増えています。
症状は、境界鮮明な赤い発疹とその上に銀白色の鱗屑(りんせつ)(皮膚表面の角質細胞が剥がれ落ちたもので、フケのようなもの)が見られ、皮膚を剥がすと点状の出血が見られます。
はじめは頭にできることが多く、長い間フケと勘違いしている方も多いようです。頭部のほか肘頭、膝蓋、臀部など、継続的に外部から刺激を受けやすい部位によく出ます。痒みは個人差があり、ひどく痒みがある場合や全く見られない場合など様々です。
乾癬の原因はまだはっきりわかっていませんが、なんらかの環境因子(ストレス・煙草・アルコール・高カロリー食・衣服の刺激・日光・乾燥・薬剤など)を受けることによって発症すると考えられています。
おもな治療方法は、外用療法・内服療法・紫外線療法・注射点滴療法の4種類があります。
外用療法は、免疫の働きを抑えて炎症を抑える「ステロイド外用薬」、皮膚の細胞に働きかけて異常な増殖を抑える「活性型ビタミンD3外用薬」が用いられます。
紫外線療法は、紫外線の「免疫の働きを弱める作用」を利用した治療方法です。
内服療法は、中等症から重症の比較的症状が重い乾癬に用いられ、角質細胞の異常な増殖を抑えたり炎症を抑えたり免疫の過剰な働きを抑える薬剤が用いられます。
注射点滴療法は、乾癬が発症する原因となる物質をピンポイントで抑える治療薬です。