変形性関節症とは関節の構成成分である軟骨がすり減り、関節が著しく変形する病気です。
軟骨がすり減ることで、関節の痛みや腫れなどがあらわれます。
荷重関節である股・膝・足関節で多くみられますが、非荷重関節だが頻繁に動かす肘関節でも生じることがあります。
そこで発症リスクを軽減するため、適度な運動・体重調整・筋力を保つ・過度の運動を避けることが重要です。
人の関節は、骨と骨が交わるように構成されています。
そのため運動する度に骨と骨の間で大きな摩擦が生じ、骨同士が削れてしまいます。
そこで人の関節には、関節軟骨など摩擦力を軽減させる仕組みが備わっています。
しかし年齢を重ねると軟骨が徐々に削れるなど様々な変化が起こり、関節の動きが円滑でなくなります。
軟骨の摩耗がひどくなると関節の痛みや変形が徐々に伴い、変形性関節症を発症します。
発症初期は運動負荷をかけたときのみ痛みが生じ、安静を保つと痛みが軽減されます。
しかし病状が進行すると、常に痛みを自覚するようになります。
また変形性関節症では、摩耗した軟骨片などにより二次性に滑膜炎が生じます。
そして滑膜炎が起こると関節内で水が貯留し、関節の腫れもみられるようになります。
このようなことが複合的に重なりあうことで、関節機能障害を生じて日常生活に支障をきたすようになります。
根本的な治療法はなく、関節の疼痛・可動域制限・変形などの症状に対する対症療法(症状を和らげる治療)が行われます。
保存療法には、運動療法・薬物療法(消炎鎮痛剤の経口投与やヒアルロン酸製剤の関節内注入)などがあります。
高齢化が進む近年の日本では、運動機能が低下してしまい寝たきりにつながることも増えてきています。
こうした状態を避けるためにも、適切な運動を日常的に取り入れ、病気を予防することが重要です。