「加齢黄斑変性」は、網膜の中央部にある「黄斑」という部分の裏側に病的な血管(新生血管)ができ、ここから水分が漏れたり出血することで視力が低下する病気です。
高齢になるほど頻度が高くなり、近年わが国において成人の失明原因の第4位となっています。
この黄斑に病気が起こると、ものがゆがんで見えたり(変視)、かすんだり(視力低下)、真ん中だけ見えなくなったり(中心暗点)という症状が起こります。
加齢黄斑変性の原因はまだよくわかっていませんが、加齢だけでなく何らかの原因が発症に関係していることは確実です。
そのリスクを高める原因として特定の遺伝子が関係しており、そこに高脂肪食の長期摂取やタバコやストレスなどが関連しているのではないかと考えられています。
また強い紫外線の長期暴露も、加齢黄斑変性のリスクと考えられています。
そしてこれらの中で、特にタバコは加齢黄斑変性と強く関係しています。
このように、緑黄色野菜を積極的に摂取・禁煙はもちろん受動喫煙も避ける・屋外ではサングラスを着用するなどが、加齢黄斑変性発症のリスクを減らすことにつながります。
抗VEGF治療は現在、加齢黄斑変性に対するスタンダード治療で、継続した治療が必要です。
これは「血管内皮増殖因子:VEGF」という糖タンパクの働きをブロックする薬剤を目の中に注射して、病気を抑えようという治療です。
加齢黄斑変性はその進行スピードに個人差が大きく、何年も悪くならずにじっとしていることもあれば、数週間で出血が激増して、あっという間に視力を失う場合もあります。
そのため「加齢黄斑変性」と診断されたら、できるだけ早めの治療が大切になります。