乾癬とは、慢性的・炎症性の皮膚の病気です。
皮膚は通常約28~40日でターンオーバー(表皮の生まれ変わり)しますが、炎症を起こす細胞の活性化により4~5日と短くなります。
このように皮膚の細胞が異常に増殖することで、さまざまな症状が出てきます。
乾癬の初期症状として、赤い発疹や大量のフケが多くみられます。
症状が進むと皮疹が増え、いくつかの皮疹が一緒になったり、時には全身に広がったりすることもあります。
白く細かいかさぶたのようになり、それがボロボロはがれ落ちることがあります。
頭皮・生え際をはじめ、肘・膝など物理的刺激を受けやすい部位も皮疹がよくみられます。
皮膚がまるく、やや盛り上がり、炎症により皮膚が赤くなることもあります。
症状の出方や大きさ、部位は人によって異なりますが、頭部・肘・膝・臀部は症状が出やすいです。
日本には約50~60万人の乾癬の患者さんがいますが、食生活の欧米化などが影響で増加傾向にあります。
男女比では男性に多く、思春期以降、また中年以降の発症が多いことが特徴です。
また乾癬という病名から誤解されることがありますが、人から人へうつることは絶対にありません。
乾癬の原因はいまだに完全には明らかになっていません。
もともとの遺伝体質、環境要因に内的因子である肥満・妊娠・出産・脂質異常・糖尿病などが関係していると考えられています。
外的因子のストレス・たばこ・アルコール・脂っこい食事・衣服の刺激・日光・季節(冬)・乾燥・外傷・風邪・慢性返扁桃炎・薬剤などが関係していると考えられています。
乾癬の根本的な治療はいまだ見つかっておらず、 症状を軽減する対症療法が中心となります。
乾癬治療の基本は、塗り薬による外用療法です。
ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬、これらの配合剤があります。
軟膏やローション、ゲルなどの種類があるので、塗る部位に適したものを選択します。
患部が赤く盛り上がり、角質が厚く硬くなって表面にポロポロとふけのような鱗屑がつき、典型的な場合は銀白色のかさぶた状となります。
日常生活で必要以上の制限は不要ですが、皮膚への刺激は乾癬の症状を悪化させるので注意しましょう。
身体や頭をゴシゴシするのは避けましょう。
はがれ落ちる皮膚は、無理矢理こすらないようにしましょう。
ベルトなど、過度な締めつけの洋服は避けましょう。
野菜や魚中心の食事で、規則正しい食生活をしましょう。
たばこやお酒は、極力控えましょう。
喫煙や大量飲酒は、症状の悪化要因となります。
風邪や虫歯など感染症も症状を悪化させるので、手洗い・うがいを心がけましょう。
ストレスをためないように、趣味・運動・気分転換・ストレス発散方法を見つけましょう。
適度な日光浴は問題ないですが、過度な日焼けは症状悪化要因になるので気をつけましょう。