ベーチェット病とは、全身のさまざまな部位に炎症が繰り返し生じる病気です。
免疫機能が過剰になり自身を攻撃する「膠原病」の一種と考えられていますが、明確な発症メカニズムは解明されていません。
症状には大きな個人差がありますが、主な4つの症状は口腔内の潰瘍・外陰部の潰瘍・皮膚症状・目の炎症とされています。
しかし重症の場合には、内臓や神経・血管などにも炎症をもたらし、ときには命に関わることも多々あります。
また発症するとほぼ、口の中になかなか治らない口内炎や、外陰部の粘膜に潰瘍が多数できるようになります。
それに赤いしこりやにきびのような発疹、目の網膜などに炎症を起こす「ぶどう膜炎」を発症することが多いとされています。
これらの症状はよくなったり悪くなったりを繰り返し、次第に症状が悪化していくことも少なくありません。
特にぶどう膜炎は、悪化すると失明を引き起こすことがあるため注意が必要です。
そのほか関節や副睾丸などに炎症、消化管に穴が開く、動脈瘤が破裂するといった命に関わる症状も珍しくありません。
ベーチェット病の治療は、症状の現れ方にかかわらず薬物療法が主体となります。
基本的にはステロイド剤が使用されますが、消化管・血管・神経などに炎症が及ぶと免疫抑制剤が使用されることもあります。
さらに関節炎の痛みには鎮痛薬を、血管炎に伴う血栓症には抗凝固剤投与なども必要となります。
疲れやストレスで症状が悪化・再燃しやすくなるため、十分な休養・睡眠と、生活リズムや食生活にも注意することが大切です。
また喫煙習慣も症状を悪化させることが分かっているので、禁煙を目指す必要もあります。