起立性調節障害は、自律神経の異常で循環器調節がうまくいかなくなる疾患です。
立ち上がったときに血圧が低下したり、心拍数が上がり過ぎたり、調節に時間がかかりすぎたりします。
身体的要素以外に、精神的・環境的要素も関わって起こると考えられています。
小学校高学年~中学生に多くみられますが、この時期は身体のさまざまな機能が大人へと変化していく時期です。
この変化は自律神経系にも起こるため、循環器系の調節がうまくいかなくなることがあります。
特に真面目で気を遣うタイプに多く、これはストレスをため込みやすいためと考えられています。
注意すべきはあくまでも身体の病気であり、本人の努力でどうにかなるということではありません。
典型的な症状は、「立ちくらみ」・「疲れやすい」・「長時間立っていられない」などです。
また朝起きることができないことで、不登校になる割合も多いことが知られています。
起立性調節障害は現在までに以下の4つのタイプが確認されています。
(1)起立直後性低血圧…起立直後の血圧低下からの回復に時間がかかるタイプ。
(2)体位性頻脈症候群…血圧の回復に異常はないが、起立後心拍の回復がなく上昇したままのタイプ。
(3)神経調節性失神…起立中に急激な血圧低下によっていきなり失神するタイプ。
(4)遷延性起立性低血圧…起立を続けることにより徐々に血圧が低下して失神に至るタイプ。
改善するためには、水分2L・塩分10gを目安に摂る、日中は寝転がらない、起立するときはゆっくり立ち長時間の起立はできるだけ避ける、ストレスコントロールをする…などがポイントになります。