敗血症とは細菌やウイルスに感染することで、心臓・肺など体の重要な臓器の機能が障害される病気です。
その多くは、肺炎・尿路感染症・皮膚や腸管の感染症などを起因とします。
これらの感染症を発症すると、体内では原因となった細菌が増殖していきます。
するとそれらの細菌の毒素によって体内の炎症を引き起こす、「サイトカイン」と呼ばれる物質が放出されるようになります。
サイトカインには血圧低下や血液凝固作用があるため、進行すると臓器の組織壊死が引き起こされます。
通常の感染症は、喉・鼻・気管・腎盂(じんう)など、病原体の感染が生じた一部の臓器に症状が引き起こされます。
しかし敗血症は全身の炎症から、体温上昇や低下・心拍数上昇・呼吸数増加・白血球増加や減少といった症状が現れます。
そして全身のさまざまな臓器の機能が低下し、生命を脅かすような低血圧へ進行していきます。
早急に適切な治療を行わなければ、命を落とすケースも少なくありません。
特に65歳以上の高齢者・乳幼児・免疫機能が低下している人は、敗血症に進行するリスクが高いとされています。
敗血症は軽度な感染症から進行することもあるため、発熱などの症状が長引く場合は医療機関を受診することが大切です。