手足口病とは、手のひらや足の裏・口の中などに小さな水ぶくれのような発疹を引き起こす病気のことです。
発症者の約9割は5歳以下の小児とされており、一度感染すると免疫ができるため、同じウイルスで再び手足口病を発症することはありません。
しかし原因となるウイルスは複数あるため、再発することも多々あり、近年では成人が発症するケースも増えています。
手足口病は発疹のほか発熱が見られることもありますが、多くは1週間以内で自然に軽快するとされています。
しかし、まれに髄膜炎や脳炎など重篤な合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。
手足口病は、「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」などによって引き起こされる感染症です。
これらのウイルスの主な感染経路は「飛沫感染」とされており、感染者の咳やくしゃみを吸い込むことで感染します。
また手足口病の原因ウイルスは、咳やくしゃみだけではなく、便とともに排泄されることが分かっています。
そのため、オムツ交換時・ドアノブ・レバーなどに付着したウイルスに触れることで、感染することもあります。
さらにウイルスは水ぶくれの内部にも含まれているため、水ぶくれが破れるとそこから感染が広がることも少なくありません。
手足口病は感染から3~5日ほどの潜伏期間を経て、口の中・手のひら・足の裏・肘・膝・お尻などに小さな水ぶくれが現れるのが特徴です。
水ぶくれは痛みやしびれなどを引き起こすことがあり、特に口の中の水ぶくれは口内炎のような潰瘍を形成することも少なくありません。
そうなると、十分な飲食ができなくなるケースもあります。
また、発症者の約3割には38℃以下の微熱が見られますが、多くは数日で自然に解熱し後遺症を残すことはまずありません。
しかし、まれに増殖したウイルスが血液に乗って髄膜や脳に及ぶと、髄膜炎や脳炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。
さらに手足口病の軽快から1か月以内に、手足の爪が剥がれ落ちるといった症状も報告されているので、慎重に経過を見る必要があります。
手足口病の原因ウイルスに対する抗ウイルス薬は開発されていないため、現時点で手足口病を根本的に治す治療はありません。
そのため、治療はそれぞれの症状を和らげるための「対症療法」が主体となります。
具体的には、発熱に対する解熱剤・口の中の痛みに対する鎮痛薬などが用いられます。
水ぶくれは3~7日ほどで自然に治っていくため、かゆみや痛みなどがない場合は特に塗り薬などは必要ありません。
しかし何らかの症状がある場合は、抗ヒスタミン薬などが含まれた塗り薬が使用されます。
また、口の中の水ぶくれにより十分な飲食ができない場合は、脱水の予防・改善のため乳幼児は特に点滴治療が必要なこともあります。
手足口病を予防するには、飛沫感染などに対する一般的な感染対策を徹底することが大切です。
具体的には手洗い・手指消毒などが挙げられ、集団生活の場で手足口病が流行している時期はマスクの着用も効果的とされています。
また症状が改善した後も2~4週間は便の中に排出される性質があります。
そのため、オムツ交換やトイレの使用時は手洗いと手指消毒を特に徹底して行うようにしましょう。