偽痛風について!

偽痛風とは、ピロリン酸カルシウム(CPPD)の結晶が関節の軟骨に沈着することで、急激に関節炎を起こす病気を指します。

発作の症状が痛風に似ていることから偽痛風といわれますが、正式には「ピロリン酸カルシウム関節炎」と呼びます。

また、炎症の有無にかかわらず結晶が沈着している状態を「ピロリン酸カルシウム結晶沈着症」といいます。

 

偽痛風の原因は、CPPD結晶の関節軟骨への沈着です。

関節局所にピロリン酸カルシウムが過剰に存在するために、結晶化して沈着すると考えられています。

 

痛風では長い針状の尿酸ナトリウム結晶が沈着するのに対し、偽痛風では四角形のCPPD結晶が沈着することで関節炎が発生します。

どちらも関節炎が発生するメカニズムは同じですが、偽痛風においてCPPD結晶が沈着する原因は分かっていません。

しかし、加齢などに伴う関節の変形が大きな原因と考えられていて、85歳以上では約50%に結晶の沈着が認められます。

痛風では男性が圧倒的に多いのに対し、偽痛風において男女差はほとんどありません

 

高齢・外傷・代謝性疾患・遺伝性疾患などによる関節の変形や代謝性変化に続いて、結晶が沈着することが示唆されています。

また、一部では家族内での発生も認められるため、遺伝的な要因もあると考えられています。

 

無症状で経過する人もいますが、一般的に大きな関節に強い痛みが生じ、発熱・関節が腫れることが多いです。

 

もっとも頻度が高い部位は膝関節で、偽痛風の半数以上が膝関節に症状が出現します。

そのほかの部位としては、肩関節・足関節・手関節によく起こります。

 

偽痛風の診断には線検査が用いられ、関節に結晶が沈着していると線検査で石灰像が認められます。

さらに関節穿刺液検査を行うことで診断が確定します。

 

関節穿刺液検査は、関節内に注射針を入れて関節液の一部を採取する検査です。

採取した関節液を特別な顕微鏡を用いることで結晶の種類を同定でき、痛風と鑑別することができます。

 

また、細菌による化膿性関節炎では細菌の有無を調べることができます。

ほかの病気との鑑別のために血液検査も行います。

 

現在のところ、偽痛風に対する効果的な治療法はありません。

そのため、痛みを和らげるための対症療法が中心となります。

 

急性の関節炎に対しては非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が用いられ、これを内服して痛みの軽減を図ります。

複数の関節が同時に炎症している場合や、全身性の炎症反応が強い場合にはステロイド薬を全身投与することもあります。

また医療機関では、局所の治療として穿刺による関節液の排出とステロイド薬の関節内注入もしばしば行われます。

 

自宅でできる処置としては、患部の冷却が有効です。

冷却することで炎症が治まり、痛みが軽くなる場合があるため、保冷剤をタオルに巻いて患部に当てて冷やしてみましょう。

 

変形性関節症を合併している人で、歩行障害がある場合には、人工関節置換術などの外科的治療が検討されることもあります。

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