てんかんとは、脳が一時的に過剰に興奮することで、意識消失やけいれんなどの発作を繰り返し引き起こす病気です。
脳は、神経細胞が電気的な興奮を引き起こすことでさまざまな情報が伝達されていきます。
てんかんは、神経細胞の電気的な興奮が過剰に発生し、脳のはたらきに異常が引き起こされることによって発症します。
たとえば目・耳・皮膚・舌からの情報は、「きれい」・「暑い」・「甘い」など神経を通じて脳に伝達されます。
逆に「話す」・「走る」などのように、脳からの命令を伝達することによって体を動かしたりもします。
さらに、意識しない心臓の動きや呼吸の調節・感情・情緒・理性などの精神活動や記憶も脳で制御しています。
このような働きのある脳内の電気信号が、何かの原因で一斉に過剰に発生すると、その部位の脳の機能が乱れます。
すると脳は適切に情報を受け取ることや命令ができなくなり、体の動きをコントロールできなくなります。
成人が発症するてんかんの4割は、検査しても異常がみつからない「特発性てんかん」です。
てんかんは遺伝しないと考えられていましたが、「特発性てんかん」は遺伝子との関連が指摘されています。
「症候性てんかん」は、外傷による脳のダメージ、脳卒中・脳腫瘍・アルツハイマー病など脳の病気によって引き起こされます。
認知症は普段から物忘れや行動の症状が常時みられますが、てんかんは発作を起こしていないときはまったく正常です。
普段しっかりされているに、記憶がまったく欠落していることがある人は、速やかに診察を受けることがすすめられます。
てんかんは発症原因がはっきり分からないケースも多く、確立した予防方法は現在のところありません。
しかし抗てんかん薬の内服継続など適切な治療を続けていくことで、発作をコントロールすることが可能です。
症状がないからと治療を自己中断すると、発作が再発し発作が止まらなくなったり交通事故を起こす可能性があります。
必ず担当医の指示に従って治療を行っていくようにしましょう。