こむらがえりとは、ふくらはぎに起こる痛みを伴った筋肉の痙攣のことです。
こむらがえりになると、ふくらはぎにある下腿三頭筋(かたいさんとうきん)の一部が異常に縮み硬くなってしまいます。筋肉が強く縮んで硬くなると、縮んでいる筋肉の線維とそうではない線維との間にズレが生じ、神経の先端を刺激することで痛みが生じます。
ちなみにこの筋肉の痙攣は、ふくらはぎだけでなく首や肩・指などにも起きます。
こむらがえりはスポーツの最中や、就眠中(特に寒い時期の明け方)に寝床のなかで伸びや寝返りをうった際に多く起こります。また一度起こってしまうと癖になって、繰り返す傾向があります。
原因は筋肉の使い過ぎや運動不足、脱水などによる体液成分であるカリウム・カルシウム・マグネシウムの不足などが考えられます。したがって、下痢で脱水を起こしている時、妊娠中のカルシウムやマグネシウムの不足、糖尿病や肝硬変、腎不全などによって電解質のバランスが崩れている時にも起こりやすいといわれています。
治療は、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が第一選択されます。速効性があり、服用すれば10分で効果が表れます。しかし芍薬甘草湯を長期間にわたって連用すると、その成分の甘草が高血圧症や低カリウム血症、浮腫などを引き起こすことがあります。この場合、甘草の含有量が少ないヨク苡仁湯(よくいにんとう)への変更を検討しなければなりません。
また自身で行う応急処置としては、膝を伸ばして足の親指を手元に引っ張ります。蒸しタオルで温めることも有効です。
日常においては、カリウム・カルシウム・マグネシウムを補給しておくために、野菜やフル-ツ・海藻類・小魚・牛乳などをバランスよくとり偏食はやめましょう。またスポ-ツを始める前には準備運動を、プレー中にはスポーツドリンクなどによる水分と電解質の補給を励行しましょう。