ITPについて!

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は基礎疾患や原因薬剤がないのに血小板の数が減少し、出血症状をひき起こす病気です。

血小板以外の赤血球や白血球には、異常はみられません。

ITPの治療目標は、必ずしも血小板数を正常に戻すことではなく、危険な出血を防ぎ、生活の質を向上させることです。

血小板数が/μL以上であれば通常は出血の危険はほとんどなく、定期的に血小板数と出血症状をみながら経過を観察します。

 

ITPは何らかの原因で自己抗体(自分自身の血小板を破壊する抗体:血小板抗体)が産生され、血液中で血小板に結合します。

この血小板抗体が結合した血小板は、脾臓などでマクロファージという細胞に貪食・破壊・血小板減少が起こります。

また最近では、この血小板抗体は骨髄での血小板産生能も障害し、血小板産生を低下させるといわれています。

なぜ「自己抗体」ができるのかについては、はっきりしたことはわかっていないのが現状です。

 

血小板は、出血を止めるために非常に大切な役割を果たしています。

したがって血小板数が減ると、出血しやすくなり、また出血が止まりにくくなり、次のような種々の出血症状がみられます。

点状や斑状の皮膚にみられる出血

歯ぐきからの出血・口腔粘膜出血

鼻血

便に血が混じったり、黒い便が出る

尿に血が混じって、紅茶のような色になる

月経過多・生理が止まりにくい

重症な場合は、脳出血

 ただし、いずれの症状もこの疾患に特異的なものではありません。

    

ITP患者の場合、血小板数や出血症状の有無、治療をするかしないか、どのように治療を行うかが判断されます。

血小板数を正常に戻すのではなく、重篤な出血を予防しうる血小板数(通常、/μL以上)に維持することを目指します。

また、他の治療で外科的処置が行われる場合や出産時などは、一時的に血小板数を増加させる必要があります。

 

治療の種類

ヘリコバクター・ピロリ菌除菌療法

胃にヘリコバクター・ピロリ菌がいるかどうか検査します。

陽性であれば血小板数や出血症状と関係なく除菌療法を行います。

80%の患者でヘリコバクター・ピロリ菌の除菌効果がみられ、除菌に成功した患者の約半数が血小板増加に成功しています。

 

副腎皮質ホルモン剤療法

最も一般的な治療法です。

ヘリコバクター・ピロリ菌を取り除いても血小板の数が増えなかった人に行う治療です。

副腎皮質ホルモン剤療法は免疫を抑制する作用があり、抗体の産生や抗体結合血小板の捕捉を抑制します。

出血症状や血小板数を見ながら減量または維持量を続けます。

強い効果がある一方、副作用が生じる場合もあります。

 

生命を脅かす重篤な出血、術前や分娩前などの緊急を要する治療の場合

 出血リスク軽減のため、一時的に血小板数を安全な値まで(例えば血小板数/μL以上)増やすための治療をします。

入院治療が必要です。

 

免疫グロブリン製剤大量療法(IVIG療法)

大量の免疫グロブリン製剤を日間連続で点滴静注をします。

治療開始3日後くらいより血小板は増加し始め、平均日後に血小板数は一過性に最大値になりますが、効果は2~3週間です。

64%の患者で5万/μL以上となり、83%の患者では/μL以上に血小板数増加が認められ、高い有用性を示しています。

 

ステロイドパルス療法

大量の副腎皮質ホルモン剤点滴静注を日間行い、以後は漸減します。

効果が投与後日目くらいから現れますが、一過性です。

80%の患者で/μL以上の血小板数増加がみとめられています。

 

血小板輸血

輸注血小板の寿命は短く血小板数はわずかしか増加しません。

免疫グロブリン大量療法と併用することで、血小板増加効果が増強します。

通常は、一般の日常生活に制限をする必要はありません。

  精神的にいらいらせず、規則正しい生活を送ることが大切です。

  血小板数が/μL以下や出血傾向がある場合、重労働や打撲するようなサッカー・剣道・柔道などのスポーツは避けましょう。

この病気の診察医師以外に、別の医師の診察を受ける場合は、必ずその医師にITPであることを伝えましょう。

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