正常眼圧緑内障とは緑内障の1つで、眼圧が正常であるにもかかわらず、視神経が障害されることで発症する緑内障をいいます。
私たちの目には「房水」という液体が絶えず循環していて、ボールのように常に内側から圧力がかかっています。それが眼圧であり、10~21mmHgの範囲なら正常とされます。
これまでは眼圧が21mmHgを超えて上昇し、それに伴い視神経が障害されて緑内障を発症すると考えられていました。しかし眼圧が正常(20mmHg以下)にもかかわらず、緑内障を罹患している方が多くいるという事実が明らかとなりました。
正常眼圧緑内障のくわしい発症メカニズムは、まだよくわかっていません。おそらく正常とはいっても常に一定の圧力がかかっていること、また視神経に眼圧や周辺の血液循環の悪化などが影響して発症すると推測されています。
このように眼圧が正常の範囲であっても、なんらかの理由から視神経が傷ついたり、萎縮したりして、緑内障の症状(視野狭窄)が起こるのです。それが正常眼圧緑内障であり、しかも40歳以上では20人に1人という高い割合で起こることもわかっています。
正常眼圧緑内障の場合、90%の方は自分が緑内障であることに気づいていません。視野狭窄がかなり進んでいても、ほかの部分(見える部分)がフォローするため、気づきにくいのです。それだけに、早期発見のための検査が重視されています。