ギラン・バレー症候群とは、運動神経障害により手足の筋肉が働かなくなる神経の病気です。
ウィルスや細菌により免疫反応が異常をきたし、自身の末梢神経を攻撃すると考えられています。
咳・発熱・咽頭痛・頭痛・下痢など発症の後、1~3週間後に四肢の急激な筋力低下が起こることで歩行が困難となります。
多くの場合は目や口まわりの筋肉も衰え、まばたきや咀嚼にも支障が出るようになります。
発症後1~2週間は症状が進行しますが、通常は3~6ヶ月でほぼ完全に回復するようになります。
しかし重症化する場合もあるため、できるだけ早い段階で治療を開始することが望ましいとされています。
発症率は10万人あたり1~2人と比較的珍しい病気ですが、小児から高齢者まで発症する可能性があるため注意が必要です。
症状が出たら、なるべく早く血漿交換療法(血液成分の一部を入れ替える治療法)または、免疫グロブリン大量療法(血液中の抗体成分を点滴する治療法)が有効といわれています。
また症状のピーク時には、呼吸筋麻痺のため人工呼吸器の装着が必要となる場合があります。
さらに回復期には、リハビリテーションを行うことも重要です。
重症化すると呼吸筋の麻痺により命にかかわることもあるため、脱力症状などが現れた場合は病院を受診するようにしましょう。